ある日、家でくつろぐひろし
|
ひろし
| アァー、平日に休めるっていいなぁー。ゆったりと時間が流れ、疲れも取れるし、おだやかーな一日になりそうだなぁ。
|
みさえ
| もぉう、せっかくもらった振替休日なのにぃー。
|
ひろし
| ええじゃないか、俺の休日なんだから。
|
みさえ
| ねえ、ゴルフの打ちっぱなしにでも行ってきたらぁ。
|
ひろし
| やなこった。今日は一日中ゴロゴロしてるんだもんねー。
|
みさえ
| まあそれでいいならいいけど・・・。アーッ!
|
ひろし
| ん?
|
みさえ
| 大変すっかり忘れてたぁー!今日幼稚園の参観日なのよぉ。
|
ひろし
| 何だそんなことかぁ。
|
みさえ
| ねえ、あなた行ってきてくれなぁい?
|
ひろし
| エェー俺がぁー。
|
みさえ
| だってあたしいろいろと雑用あるし、ひまわりの面倒だってみなきゃならないしぃー。
|
ひまわり
| アヤイィー。
|
ひろし
| アァー・・・
|
みさえ
| ねえ行ってきてー。
|
ひろし
| おぉ俺だってたまにはゴロゴロしたいし、ダラダラだってしなきゃならないしぃ。
|
みさえ
| あっそう。もういいわよ。ひまちゃぁーん、ママは幼稚園に行かなきゃならないんでぇー、パパとお留守番しててねぇー。
|
ひまわり
| タヤァ?
|
みさえ
| あぁ、会うのは久しぶりだわぁー、幼稚園の若いお母さん。
|
ひろし
| みさえ。
|
みさえ
| なぁーに?
|
ひろし
| みさえもいろいろと忙しいだろうから、俺が行ってやるよ。
|
みさえ
| あら、今日は一日ゴロゴロしたりダラダラするんじゃなかったのぉ?
|
ひろし
| お願い、行かせて。
|
みさえ
| フッ、どうぞ。
|
というわけで、ひろしは張り切って自転車をこぎ幼稚園に向かう
|
ひろし
| ラッララララーラー。
|
そしてドアを開けると怖い顔が・・・
|
ひろし
| アァーーーーーーッ!!
|
園長
| ん?野原さん、どうしました?
|
ひろし
| ああ、園長先生。今日は、保育参観に参りました。
|
園長
| あぁ、そうでしたか。もう始まってますよ。
|
ひろし
| はぁ、お世話になります。あぁいつまでたっても慣れない顔だよなぁー。
|
園長
| 何か、慣れない物がありましたか?
|
ひろし
| い、いや、あぁぁぁぁ、何でもありません。大丈夫です。
|
園長
| なら、いいんですけど・・・。
|
ひろし
| じゃ。
|
さらに進むと、またしても怖い顔が・・・
|
ひろし
| ワッ!ワッワワワ、アッアッ!
|
黒磯
| おはようございます。
|
ひろし
| アァ、こりゃどうもご丁寧に。
|
黒磯
| ひまわり組は、一番奥です。
|
ひろし
| あぁ、どうも・・・。(相変わらず変な幼稚園だよなぁー。)お、ここだな。
|
ひろしはひまわり組のドアを開けた。そこには若い母親が多数
|
ひろし
| ワァーーハハハー。
|
よしなが先生
| あぁ、しんのすけ君のお父さん。さ、どうぞ。
|
ひろし
| あ、はは、どぉーうも。
|
そしてひろしも他の母親に混じって教室後方に
|
しんのすけ
| おぉう、父ちゃーん。
|
ひろし
| ん?
|
しんのすけ
| 父ちゃんが来たってことは、さてはウルトラされたのぉ?
|
風間君
| それを言うならリストラだろう。
|
母親たち
| エエッ?
|
ひろし
| あ、あいや、違うんです!ただの振替休日なんですよぉ。
|
しんのすけ
| 言い訳するのが何とも怪しい。
|
ひろし
| 全然怪しくないよっ!
|
よしなが先生
| はぁーい。それじゃあ続きをやりましょうね。では次は、風間君に作文を読んでもらいます。
|
風間君
| はいっ。「僕のママふたば幼稚園ひまわり組、風間トオル。僕のママは美人なうえにとても知的です。
|
風間ママ
| あぁら・・・。
|
風間君
| なぜなら、僕の知らない英単語もたくさん知っていて、いろいろと教えてくれるからです。
|
風間ママ
| オホホホ。
|
風間君
| 僕の大切なママ、これからも体を大切にして、いつまでもきれいでいてください。終わり。」
|
一同拍手喝采
|
風間ママ
| トオルちゃん・・・。
|
よしなが先生
| はぁい、とっても素敵な作文でした。じゃあ次はしんちゃん。
|
しんのすけ
| ほぉい。「オラの父ちゃん。
|
ひろし
| ほ?
|
しんのすけ
| オラの父ちゃんはとても強い。
|
ひろし
| アハハハ。
|
風間ママ
| オホホホ。
|
しんのすけ
| 酔っ払って帰ってきても、母ちゃんに殴られても、次の日にはちゃんと会社に出かけてゆく。父ちゃんはとても打たれ強い。そして父ちゃんは、オラにいろいろと教えてくれる。
|
ひろし
| おっ!
|
しんのすけ
| 水虫がどんなにかゆいか、痔になったらどんなに痛いかをオラに教えてくれる。大切なオラの父ちゃん、これからも健やかに育ってください。終わり」
|
ひろし
| ウゥゥゥゥゥ・・・
|
再び拍手喝采。ひろしは泣いている
|
よしなが先生
| はぁい、とってもユニークな作文でしたね。それじゃあ次は親子でお遊戯です。これからお遊戯の曲をかけますから、パパやママに教えてあげて一緒に踊りましょう。
|
園児たち
| はぁーい。
|
よしなが先生
| じゃあいくわよ。
|
園児たち
| はぁーい。
|
よしなが先生、ラジカセの再生ボタンを押した。すると流れてきたイントロは「北埼玉ブルース」
|
親たち
| えっ?
|
ひろし
| (この曲は・・・まさか・・・)
|
テープ
| ♪そぼ降るぅー、雨にぬれている、お前の背中が、寂しげでぇー、思わずー、抱いてしまぁーったよ。あぁあー、北さいーたぁまー、ブルゥゥースよぉぉー
|
その歌に合わせて、園児たちが踊って見せた
|
よしなが先生
| はぁいお母様やお父様、みなさんのお子さんとご一緒にどうぞ。
|
ひろし
| エエッ?
|
しんのすけ
| 父ちゃん踊ろう。
|
ひろし
| エッ?!
|
しんのすけ
| じゃ、いくぞ。
|
ひろし
| あ、あぁ。
|
テープ
| ♪飲めないぃー、酒によぉぉーっている、お前がー何だかぁー、いとしくてー、もいちど、抱いてしまぁーったよ、あぁぁー、北さいーたぁまー、ブゥルゥゥースよぉー
|
間奏中にひろしはしんのすけに無理矢理連れ出されるも、しっかりと踊って大喝采
|
風間ママ
| 野原さん素晴らしいわ。
|
ネネママ
| 本当、とても素人とは思えない。
|
ひろし
| いやぁハハハ。どうもどうも。
|
よしなが先生
| さ、みなさんもごいっしょにどうぞ。
|
テープ
| ♪はかないぃー、恋に生きーているぅ、お前の心がぁ、わかるからー、またまたー、抱いてしまぁーったよ、あぁぁー、北さいーたぁまぁー、ブゥゥゥルゥゥ、スゥよぉー。
|
3番は親子全員で踊った。やがて夕方、ひろしが自転車にしんのすけを乗せての帰り道にて
|
しんのすけ
| 父ちゃん、今日の歌ってる人の声、父ちゃんに似てたねぇ。
|
ひろし
| おっ、そうか?♪そぼ降るぅー、雨に・・・
|
しんのすけ
| おぉ、似てる似てる!
|
ひろし
| ♪・・・ぬぅれぇーているぅーお前の、背中がぁ、寂しげぇでぇーっと、思わずー、抱いてしまぁぁーったよ、あぁぁー、北さいーたまぁーっ
|