358話Bパート:実家に帰らせていただきますだゾ2

羽田空港ターミナルビルにて。ひろしがやって来たがみさえたちの姿は見つからない
ひろし あいつらもう飛行機に乗ったのかなぁー。となるとまずいぞぉー。熊本まで迎えに行って、あの頑固オヤジにわびを入れるってことになっちまう・・・。ハァー・・・。
アナウンス 12時10分発熊本行きにご搭乗の方は、出発ロビーにお越し下さい。
みさえたちの姿を見つけた
ひろし ん・・・、あっ、みさえっ!
が、すぐ人混みの中に消えた
ひろし ん?どこ行った?つかまえないと。よぉーし!
カウンタへ走っていくひろし
ひろし 切符!熊本まで1枚!
金属探知器を走り抜け、反応は出なかったが、係員に止められた
係員 んあぁ、もしもし。
ひろし はいっ?
手ぶらにサンダル姿のひろしを見て
係員 失礼ですが、お荷物は?
ひろし えっ?あっ・・・
係員 荷物も持たずにご旅行ですか?
ひろし あの・・・、これにはちょっとわけがあって。
係員 ほお、わけと言いますと?
ひろし クゥーッ、何で金属探知器を通り抜けるのに、女房に逃げられた話しなきゃなんねぇんだよぅ!
わけを話すひろし。係員は笑っている
係員 プッ・・・、ど、どうぞお通り下さい。・・・・・・プハハハハハハハ
そしてようやく機内へ。みさえたちはすでに席に着いていた。しんのすけがお尻を出して女性客に話し中
しんのすけ ねえ、フライトでは足むくむほぉうぅ?オラおしりがむくむほぅー。
ひろし しんのすけっ!
しんのすけ おおっ、父ちゃん!お久しぶりはまち。
ひろし あのなぁー、さっき一緒に飯食ったばっかだろうがぁー。みさえっ!話せばわかるっ。
みさえ さっ、シートベルト締めてね。
しんのすけ 父ちゃんも実家に帰るのぉー?
ひろし えっ、いやぁ・・・
そして離陸。みさえたちとひろしは席が少し離れている
ひろし 仕方がない、熊本に着くまでに説得するしかないな。とは言え、説得しにくい雰囲気だよなぁー。・・・おっ。そーうだ、しんのすけに伝言させよう。
しんのすけが席を離れた。ひろしがしんのすけを呼び寄せる
しんのすけ おっ?
ひろしの隣に座っていた女性に話すしんのすけ
しんのすけ どうも、父がお世話になってますぅー。
ひろし おいおい、別に世話になってないって。
しんのすけ オラ、野原しんのすけ。母ちゃんの実家に帰らせていただくところですっ。
女性の耳にしんのすけがひそひそとしゃべる
しんのすけ もしもしカメよ、カメ三角四角。
ひろし こらぁー、意味のないことを他人の耳にひそひそ言うなぁー!
しんのすけ んもぉーうわがままなんだからぁー。
みさえ なっ、何やってんだかぁ・・・。でも、ここまで追いかけてきてくれるなんてやっぱり愛してるのねぇ。そろそろ許してあげよっかなぁー。ねえひま、パパが謝ってくれたらお家に戻ろっか。
ひまわり アイーアイウヤァー。
女性 あのぉー席替わりましょうか?
ひろし あっどうもすいません。
ひろしがしんのすけに伝言を伝えようとする
ひろし いいかしんのすけ、ママに伝えてくれ。「いろいろあったが、話し合えばわかる。俺が悪いところは直すから、家に帰ろう。」
しんのすけ 「人生いろいろ歯が欠ける。オラ所沢から帰ろう。」
ひろし ファー・・・。
女性 フフフ。
ひろし アー、しょうがない!シンプルにいくかぁー。そうだなぁー、「悪かった、謝る。」これだけでいい。それだけなら言えるだろう。
しんのすけ そのぐらい言えるぞっ。
ひろし よしっ、じゃ頼んだぞ。
しんのすけ ブ、ラジャー!
そしてみさえの元へ戻るしんのすけ
しんのすけ 母ちゃーん!
みさえ なぁーにぃー?
しんのすけ 父ちゃんが伝えてくれって。
みさえ 何てぇー?
しんのすけ 「悪かった、謝れ。」
みさえ 謝れ、ですってぇー?!
みさえからひろしに矢印が飛ぶ
ひろし 何だよ、この刺すような視線は。
結局険悪なムードになって熊本空港に到着。みさえが先に歩く。ひろしがしんのすけを呼び止める
ひろし おいっ、しんのすけっ!
しんのすけ 何?
ひろし ちゃんと伝えてくれたんだろうなぁー。
しんのすけ 伝えたぞ、悪かった、謝れってぇ。
ひろし えっ?謝れじゃなくって謝るだろうがぁー!
しんのすけ ちょっとの違いでごちゃごちゃ言うなぁ!
ひろし あのなぁー、”れ”と”る”じゃ大違いなんだよう!
みさえ しんのすけ、何してるの、行くわよ。
ひろし みさえー、誤解なんだっ、俺の話を聞いてくれぇー!
みさえ さっ、タクシーで帰りましょっ。
ひろし 待てよおいっ!
ひろしは財布をとりだしたのだが
ひろし やっばぁー、さっき切符を買って金がない。みさえー、俺、タクシー代がないんだよぉー。
みさえがしんのすけに1万円札を手渡す
しんのすけ ほぉーいっ。
ひろし ・・・みさえっ。
しんのすけ もう返してくれなくっていいって。
ひろし うわぁーっ・・・
さすがにこたえる一言だった。とにもかくにもみさえたちは実家に到着した。すぐひろしも着いたが
みさえ ただいまぁー。
ひろし ああー・・・
ひさえ あら、急にどうしたとね?
みさえ ちょっとねぇー。父さんは?
よし治 どげんしたと?
しんのすけ じいちゃん実家に帰ってきてやったぞぉー!
よし治 おっほほう、おまえたちかよう来たよう来たぁ。アババババ
ひまわり イヒィー。
ひさえ ひろしさんは?
みさえ シィー、あとで話すからぁー、父さんに言うとややこしくなるから。
家の前で考え込むひろし
ひろし ハァー、頑固オヤジにはやっぱ低姿勢で行くしかないんだろうなぁー。ん?
そこに背後から何者かがつつくので、振り向くと怪獣が
ひろし だぁーーっ!
まさえ なぁーんしとっとね、早く中に入らんとね。
怪獣の正体はみさえの姉、まさえのかぶりもの。でひろしも中に入る
みさえ ねぇーちゃん相変わらず人をびっくりさせるのが趣味とぉ?
まさえ あぁんたらの夫婦げんかと同じようなもんたい。
みさえ えっ、いやっ、私らは本気たい!
まさえ ふーん、じゃ本気で実家に戻ったとぉ?
ひろしはよし治と向き合って座っている。そこにひさえがお茶を持ってきた
ひさえ どうぞ。
ひろし すいません!私が悪いんです!みさえ、悪かった。この通り、謝る!帰ってくれ!
よし治 なんば言うとかぁー!
ひろし&
みさえ
えっ?
よし治 男がそげん態度でどうするたい!男は簡単に謝るもんじゃなかぁ!そういう軟弱な態度がみさえを上長させたと!あんたは意地でも謝ったらいかんたい!
しんのすけ なんだかややこしくなってきましたなぁー。
ひまわり アイアイ。

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